1月3日に亡くなっていた歌手でタレントのやしきたかじんさん。享年64。2012年1月に食道がんを患い、休業。13年3月、一時復帰を果たすも、5月に体調を崩し、再び療養に入っていた。突然の訃報は、友人にも予期せぬ出来事だった。

「去年の暮れ、たかじんさんから、『色々ありがとう。来年もよろしく』と、クリスマスカードが届きました。奥さんが書いたのでしょう。その時は、まさか亡くなるとは思いませんでした」

 日本維新の会の衆議院議員で医師の伊東信久氏は、先日の出来事を振り返った。

 伊東氏は2006年、たかじんさんのヘルニアの手術に成功。それをきっかけに親交を深め、かねて健康の相談に乗っていた。

「去年はあまりしんどい様子が見られなかったので、今春には復帰できるだろうと思っていました。ただ、昨年末になって、尿の出が悪いということで、血液検査をしたら、体内の炎症を示す数値『CRP』が通常の約50倍出ました。次に測った時には、約90倍に増えており、これはきちんと調べたほうがいいということになり、12月22日、たかじんさんは東京の先生の病院へ行かれました」(伊東氏)

 その後、クリスマスカードを受け取ってからも、伊東氏は電話で、東京にいるたかじんさんと話をしたという。しかし、元日に送った年賀のメールは返信が来なかった。1月2日に、たかじんさんの容体は急激に悪化し、3日の朝には亡くなっていたのだ。

週刊朝日 2014年1月24日号