「似顔絵大賞」(「山藤章二の似顔絵塾」週刊朝日連載中)に今年は選考委員として、タレントの壇蜜さんと大久保佳代子さんを迎えた。塾長・山藤章二さん、本誌編集長とともに、2013年に活躍したおふたりにそれぞれの思いを聞いた。
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山藤:大久保さん、今年ブレークされましたね。以前から「芸能界のあの椅子は、次は私が座るぞ」というように狙っている感覚はあったんですか?
大久保:(周囲から)「今年、きてるね」と言われても、あんまりピンとこないんです。「女芸人枠」は、誰かが毎年必ずなるんですね。
山藤:短いサイクルでね。
大久保:そうです。それが、まあ、たまたま今年は私なのかもとは思っていますかね。
山藤:ということは、来年の保証はないわけだ。
大久保:ないですよ。でも、“来年はない”くらいの気持ちでいれば、あんまり落ち込まないかなと。
山藤:椅子論でいくと、女性で男が立ち入れないような非常にデリケートなことを言う「女毒舌派」の椅子が空いていた気がする。そこに大久保さんが出てきた感じがあってね。
大久保:そうですか。まあ、42歳という年齢と、結婚してないというのと、この風貌を含めて、「ま、大久保が言うんじゃ、しょうがないか」という部分があるんでしょうかね。私が、誰かに「いやいや、おばさんじゃん」って言っても、「オマエもだろ」って突っ込まれる。ちょっと下の立場から発言しているので許されてるのかなっていうのはありますね。
山藤:壇さんにも同じことを伺いたい。「あの椅子、空いてるぞ」のような視点はありました?
壇蜜:私は自分で椅子をつくりました。ただ、素人大工だったので、その椅子は、いつ壊れるかはわかりません。
山藤:“椅子をつくった”というのは良い表現だな。確かに壇さんの世界に、既存の椅子はなかったですよね。
壇蜜:自分で木材を集めて、トンカンつくって、自信がないけど座っています。
※週刊朝日 2013年12月27日号