増税や五輪景気を見越して、不動産の購入を考える人が少なくないようだ。なかでもタワーマンションは、相続の際に現金資産よりも節税効果があるほか、賃貸収入が期待できる。それ以外にも、タワーマンションならではのメリットもあるようだ。

 タワーマンションは、相続税評価額を減らすほか、収益性も期待できる。第三者に賃貸物件として貸した場合、賃貸収入が毎月キャッシュで入ってくる。賃貸収入でふたたび相続財産が増えて困るというのであれば、その収入は子どもに年間110万円の範囲で暦年贈与してしまえば贈与税はかからない。あるいは課税されても、マンションを子どもに贈与してしまって、その後の収入を子どもに渡すこともできる。

 賃貸するにあたって注意したいのは空室リスクだ。空室のままだと賃料が入ってこないどころか、「貸家」とみなされず、評価額を減らすことができない。ただリスクと聞くと躊躇(ちゅうちょ)してしまいそうだが、日本中央会計事務所の代表である青木寿幸税理士はこう話す。

「店舗やオフィスの賃貸ビルとは異なり、住宅は相場よりも賃料を少しだけ安く設定すれば、必ず入居者が現れます。特に都心のタワーマンションなら、住みたい人はたくさんいるので問題ないでしょう。その点で賃貸住宅への投資はローリスクといえますね」

週刊朝日 2013年10月4日号