投資家の不安の大きさを示す指標「ボラティリティ・インデックス」。別名「恐怖指数」と呼ばれ、「30」を超えると異常値と言われるが、東京証券取引所によると、6月28日時点で「35」と、恐怖状態を示したままだ。先行きに不透明感が広がる相場で、不安のはけ口を求めるように証券会社が軒を連ねる東京・兜町で飛び交っている「都市伝説」がある。その一つが「ジブリの法則」だ。

 数々の名作を生み出してきたスタジオジブリが製作、もしくは宮崎駿氏が監督をしたアニメーション作品が「金曜ロードショー(現・金曜ロードSHOW!)」(日本テレビ系列、金曜日の午後9時から)で放送されると……海外市場で為替が円高に振れることもあって、翌週の月曜日には日本で株安になるという伝説だ。また、同番組で劇場版の「名探偵コナン」が放送されても、「円高を警戒するなら『ジブリ』よりも『コナン』という声があります」(証券担当記者)。

「『ジブリ』『コナン』ともに放映権料はハリウッドの大作に比べて安いと言われています。基本的に景気が上げ潮のときには選ばれないのでしょう」(同)

「どちらも放送される金曜日夜、米国では金曜日の昼間に、失業率をはじめ重要な経済指標を発表することが多い。ここ数年は米国の景気は調子が悪くて、予想を下回ることも多かったんです。その影響が大きいと思いますよ。まあ、ここまで続くと気持ち悪いけどさ」(老舗証券の情報部長)

 そう、この「気持ち悪さ」に、伝説が盛り上がる要因が隠れているようだ。

週刊朝日 2013年7月12日号