「立候補を表明する直前まで、年末の選挙特番を作る準備をしていたんです」と話すのは、新党大地の鈴木宗男代表(64)の長女、貴子氏(26)。NHK長野放送局のディレクターとして衆院選を報じる側にいたが、11月23日、上司に辞表を提出し、26日に北海道7区(釧路市、根室市など)から立候補を表明した。

 後援会から正式に出馬要請があったのは衆院解散の2日後である18日。貴子氏は即答できず、「考えさせてください」と言って迷っていたという。そんな貴子氏を口説き落としたのは、新党大地の名付け親である、歌手の松山千春(56)だった。

 後援会関係者によれば、千春は何度も直接、貴子氏に電話をかけ、こんなふうに熱く口説いたそうだ。

「なぜお前に白羽の矢を立てた? 宗男の長女うんぬんではない。鈴木貴子としての感性、魅力を持っていたからだよ。お前が宗男の選挙を応援したとき、もう政治家のオーラが出ていたんだよ」

 貴子氏が最終的に「立候補します」と千春に伝えると、「千春さんから『ありがとう』と言われました。私の人生で、千春さんからそんな言葉をいただけるとは思っていなかった」(貴子氏)という。

週刊朝日 2012年12月14日号