中国の通信機器会社「華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)」など2社にスパイ疑惑がある――10月8日、米下院情報特別委員会が衝撃的な報告書を発表した。その華為だが、実は携帯端末をはじめ、通信基地局の設備にいたるまで、日本に広く浸透してきている企業なのである。
ソフトバンクモバイルやNTTドコモ、au(KDDI)の各社ともセキュリティー対策は万全、情報流出などはあり得ない、と口をそろえるが、NTTの顧問のひとりは、匿名を条件にこう明かした。
「私自身は盗聴やサイバー攻撃を想定すると、(華為製の)スマートフォンなど絶対に使わないが、それでも携帯への参入はまだ許せる。被害があったとしても個人レベルであろうからだ。だが、通信基地局の設備や企業のサーバーとなると話が違う。国家規模の機密漏洩(ろうえい)が懸念されるし、現在すでに中国に筒抜けになっているのではないかと思っている。人民解放軍が行っているサイバー攻撃などの足掛かりにもなりかねない」
これが杞憂(きゆう)でないとすれば、現在、日本の携帯ユーザーの多くは情報流出の危機にさらされており、スパイ工作の対象となりかねない。また、国の機密漏洩はもとよりテロの危険性まである、ということだ。
この顧問は、「だからNTTには、基地局に中国企業を導入するのは絶対にダメだ、光通信なども同様だと強く言っている。NTTもそのあたりはよく承知しているので、この領域には踏み込ませていないし、踏み込ませない」とも付言した。
※週刊朝日 2012年11月2日号
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