(イラスト/寺平京子)
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 週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2020』では、全国の病院に対して独自に調査をおこない、病院から回答を得た結果をもとに、手術数の多い病院をランキングにして掲載している。病院ランキングだけでなく、治療法ごとの最新動向やセカンドオピニオンをとるべきケース、ランキングの読み方などを専門の医師に取材して掲載している。ここでは、「股関節の人工関節置換術」の解説を紹介する。

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 股関節の骨を削って人工関節を設置する人工股関節置換術を受けるのは、約8割が変形性股関節症の人である。

 残りは、股関節の一部の骨頭(イラスト参照)が壊死してしまう大腿骨頭壊死、急速に骨頭がもろくなってつぶれる急速破壊型股関節症、関節リウマチ、外傷などがある。

 神奈川リハビリテーション病院の杉山肇医師は、以前と比べて「ここ5年間の傾向として、素材や技術の進歩によって人工股関節の耐用年数が以前より長くなった」と話す。

「人工股関節のライナーという部分(イラスト参照)にクロスリンクポリエチレンという素材が使われるようになって約15年経ち、以前は20年と言われていた耐用年数が延び、30年ほど期待できるようになりました。現在、人工股関節の種類は100以上あります。ライナー以外の主流の素材はヘッドがセラミック、ソケットとステムはチタン合金、スクリュー(ねじ)は純チタンです」

 JCHO大阪病院の中田活也医師は次のように話す。

「CT検査で患者さんの骨格を立体的に構築し、人工股関節の立体モデルを入れて仮想で計画する『3次元(3D)術前計画』が、この5年で一気に広がりました。これによって患者さんに合った人工股関節の種類やサイズを、患者さんごとに正確に選べるようになり、設置する位置なども決められます。変形した骨などの難しい症例にも対応しやすくなったのです。現在、国内で約500の病院に導入されています」

 その「3次元術前計画」を元にしたロボット手術も広まっている。医師がロボットアームを持って操作し、骨を削り、人工股関節を設置するものだ。仮に計画と異なる動きをすると、それを制御して、正確な設置をサポートするという。導入している病院は全国でもまだ限られているが、一部の病院で実施されている。

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人工股関節を入れ替える再置換術は経験のある病院が望ましい