そんな個人事業主の集まりだけど、先月、「日本プロレス殿堂会」設立の記者会見を俺と藤波辰爾さん、長州力さんでやった。“これからの後輩の励みになることを”という想いは一致したよ(笑)。
プロレスってね、シリーズが始まるときだけ拘束されて、あとは結構フリーだから、そういう生活に慣れてしまうと、そこから抜けられない自分もいるよね。たとえば、朝8時に起きて、出勤のスタンプを押して、夕方5時まで働き続けるってことは中々できないようになってしまう。今日仕事に行きたくなかったら一日外出しなくても、誰にも咎められないんだからね。
だから、みんな、50歳過ぎると、プロレスのためにシューズを履いたり、裸になるのが億劫になるときがあるんだよ。でも、そこから抜けられないから、自分の気持ちを奮い立たせていたっていうのはあるよね。裸になって、リングに投げられて叩きつけられる仕事をしたいなんて誰も思わないよ(笑)。
俺は馬場さんが50歳超えて60歳近くになって、あれだけ金もあって、名声もあって、なのにリングに上がる……そういう意味では尊敬していました。リングに上がるために、シューズの紐を結んだり解いたり、用意するだけで煩わしい。いい体を保つために練習しておかないとだめでしょ?日々の積み重ねが大事で、継続は力なりっていうけど本当にそうだったからね。辞めた方が楽だよなって思うことはあった。辞めたいけど、今辞めたら明日は路頭に迷うことになるというのが正直なところ。勝手知ったるところで勝手知ったる者同志だけで続けていくんだよ。
プロレスの仕事をしていたら、プライベートでの「最強のタッグ」の相手は、今となっては女房しかいない。俺が良かったときもどん底のときもずっと35年間一緒に歩んできたからね。