とはいえ、E231系500番代も製造後20年以内と引退にはまだ早く他線区に転用されることになった。転用先は6扉車を組み込んだE231系0番代が多く在籍し、ホームドア設置の妨げになっていた中央・総武緩行線で、2011年8月までに6扉車を淘汰し全車が4扉車化していたE231系500番代を同線に投入、ホームドア設置を可能とした。

 また、この際に捻出された中央・総武緩行線のE231系0番代ならびに209系500番代は編成を短縮したうえで武蔵野線と八高線に転用、両線で使用されていた205系ならびに209系の置き換えが進められている。

 山手線へのE235系投入によって、4路線に絡む大規模な転配が行われているが、これに匹敵する大転配はE231系500番代を投入した際にも行われている。

 山手線にE231系500番代が投入されたのは2002年。そこから約3年かけて在来車であった205系を置き換えているが、この際に捻出された205系も製造から20年程度と比較的新しく、他線区への転用改造を施したうえ京葉線、武蔵野線、南武線、川越線、仙石線といった老朽化した103系が在籍していた各路線に投入された。
 
 この大規模な転配劇が行われたのはちょうど15年前。奇しくも今回山手線を追われたE231系500番代が投入されたタイミングである。

 今回紹介した車両以外にも、当初導入された路線から引退した車両が工場でリフレッシュ工事をした上で、ほかの路線に移籍し再びデビューすることは多々行われている。これらの車両の新たな地での活躍にも期待したい。

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