一方で、利益に含まれる「意見」に耳を傾けてみると、また違った世界が見えてきます。ソフトバンクGの営業利益の半分は現金を伴わないものですが、これは言い換えれば「今よりも2倍以上稼げる大きな可能性を我々は秘めている」という、孫社長からのメッセージと捉えることもできます。なぜなら、ファンドからの利益は将来の見通しを先取りしたもので現金を伴っていませんが、いずれ株式上場などで多額のキャッシュが入ってくる可能性があるからです。

 これをロマンと感じ、夢を託すのか。それともリスクと捉え、回避するのか。

 どちらの選択も間違いではありません。いずれにせよ本当に大切なのは、こうした数字に含まれた利益の性質と経営者からのメッセージを正確に読み解き、納得した上で投資を行うことです。

 ソフトバンクGについては、『100分でわかる! 決算書「分析」超入門』シリーズの2020年版で、またライザップについては19年版でそれぞれ詳細に分析している。さらに、20年版では、Apple、キーエンス、ZOZOなど話題の企業をストーリー仕立てで分析している。

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