「成人式に行きたくない」と考える人が、3割もいるという。いじめられていた同級生に会いたくない、成人を祝うことに意味を感じないなど、理由はそれぞれ。自身も「ボッチ成人式」を欠席した経験を持つ不登校新聞の編集長、石井志昂さんは「大人になる節目の日は、人それぞれ、いろんなタイミングで訪れる」と訴える。
* * *
成人式を迎えるみなさん、おめでとうございます。最近、こんな気になるツイートが流れてきました。
「成人式 行かないと人に成れないしな……」
どんな方のつぶやきかはわかりませんが、その気持ちはすごくわかります。成人式に行きたくない。しかし、行かねばまっとうな大人になれない。そんな気後れがあるのかもしれません。
成人式というのは「一生に一度」「両親が喜ぶかもしれない」、あわよくば「失われたアオハル(青春)が経験できるかもしれない」という甘い誘惑が漂う行事です。一方で、もしも学校にいい思い出がなかったり、ひきこもっていたりしたら、成人式に行かないことに罪悪感すら抱くものです。でも私は声を大にして言いたい。成人式を欠席したいのはあなただけではありません。私はよく、こんな声を聞いてきました。
「成人式なんて絶対に行かない」
「いじめられた人にもう一度会うなんて考えらえない」
成人式は「同窓会」という意味合いが強く、私を含め、私のまわりの不登校をした人は固い決意で成人式を欠席しました。しかし、こんな思いをしているのは不登校の人だけではありません。
日本財団が調査したところ、17歳~19歳の男女のうち「成人式に出席したくない」と答えた人が29.4%(「18歳意識調査」日本財団/2019年1月7日)もいました。理由は「同級生に会いたくない」「成人を祝うことに意味を感じない」など。
実際に、勇気を振り絞って成人式に行ってみたらどうだったのか。こんなことを思った人がいたそうです。
「バカ騒ぎをしている同級生に興ざめした」(20代・女性)
「式場には無造作ヘアの男とかギャルとか、リア充ばっかり。オレの居場所なんて1ミリもなかった」(20代・男性)