鈴木おさむさんが当時の僕に伝えたかったのは、命がけでやらないと芸は生まれないんだということだったのかもしれません。

 それはお笑い以外でも、同じことが言えると思うんですよね。僕は昔、めちゃくちゃ借金して生きるために必死でバイトしていて、厨房でも働いていたから今も料理ができるし、お金の知識も自分で身につけました。逆に、将来こうなりたいから資格を取って、こういう職業に就いておこうと計画的にやっていても、なかなか続かなかったり、その後に生かせなかったりする。それは夢中でやっていないからです。生活の一部になっていて必死だったり、命がけでかかっていたことは、やっぱり違う。

 ショービジネスというのは、そういう裏側が見えなくていいし、お客さんはその場を純粋に楽しんでくれればいい。どれだけ努力したかを話すのはダサいですからね。ただ、M-1で漫才の凄まじい進化を見せてくれた芸人のみなさんと、その裏にある努力に僕は敬意を表したいと思います。

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