12月9日、女性芸人の日本一を決める「女芸人No.1決定戦 THE W 2019」(日本テレビ系)が放送された。この大会は今年で3回目。過去にはゆりやんレトリィバァ、阿佐ヶ谷姉妹が優勝している。今回優勝を果たしたのは、トリオ芸人の3時のヒロイン。視聴率は11.6%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)だった。
個人的には、一お笑いファンとして「THE W」を毎回楽しみにしているのだが、正直なところ、この大会に関してネット上などではネガティブな意見も目立つ。同じお笑いコンテストということで「M-1グランプリ」や「キングオブコント」と比べられてしまうことが多く、それらよりは盛り上がりに欠けるという声がある。
「M-1」は漫才の大会、「キングオブコント」はコントの大会だが、「THE W」はネタの形式ではなく出場者自身の性別という属性で区切られている。そのため、ピン芸、漫才、コントなど、性質の違う芸が横並びで比較されることになり、まとまりがない印象を与えてしまう。漫才やコントに関してはそれぞれの大会が用意されているのに、女性だけを集めて新たな大会を開く意味はあるのか、という意見もある。
また、率直に言って「女性芸人の笑いはレベルが低い」と思っている人もまだまだ多いのではないかと思う。そもそもお笑い界は圧倒的に男性の方が多い男性社会であるため、男性と女性を対等な立場で比較するのが難しい。お笑いコンテストで上位に食い込む女性の割合が少ないからといって、それが女性芸人のレベルが低いことを意味するとは限らない。だが、女性芸人はマイノリティであるというだけで低く見られがちなところはある。「THE W」という大会が色眼鏡で見られてしまうのにはそういった事情がある。
でも、個人的にはこの大会が好きだ。確かに女性芸人は全体の人数が少ないため、ほかの大規模なお笑いコンテストでは見かけないような顔ぶれが準決勝や決勝に出てくることが多い。いい意味での敷居の低さがあり、そこに出ている芸人の人間味のようなものがよりダイレクトに伝わってくる。