紗来より1シーズン早くアメリカに拠点を移した姉の真凜は、本格的なシーズン開幕を前にした今年10月初旬、昨季感じた難しさについて語っている。環境に慣れたかを問われた真凜は「まだ完全になじんでいるとは言えないんですけど、二年目ということで、少しずつ過ごしやすくなったかな」と話した。
「去年はアメリカに行って、なかなか環境に上手くなじめている感じがなかった。言葉の壁も自分の中ではすごく大きくて、自分を閉ざして、シャットアウトして生活していた部分もあった。それが、少しずつスケート以外の部分でも抜け出せているかなと思うので、今は悪い波をいい方向に変えていけている最中なんじゃないかな」
6歳上の姉も苦労した環境の変化が、12歳の本田に影響しないとは考えにくい。2022年北京五輪には規定の年齢に達しないため出られない本田は、26年五輪出場を目指している。あえて厳しい状況を選んだ12歳の道程は、まだ始まったばかりだ。(文・沢田聡子)
●沢田聡子/1972年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。シンクロナイズドスイミング、アイスホッケー、フィギュアスケート、ヨガ等を取材して雑誌やウェブに寄稿している。「SATOKO’s arena」