AFS 日本協会広報の藤澤紀子さんは、留学生を受け入れる心得を「気負わずに、また過度な期待をせず、おおらかに」と話す。留学生というと特別な存在に思えるが、一人の高校生。日本の高校生と同じように接してほしいという。寝室と3度の食事を提供するのが条件だが、「日本で生活すること自体が日本文化を知ることになるので、特別な配慮は必要ありません。また、留学生は日本語を学びたいので、英語ができなくても問題ありません」(藤澤さん)
恵美子さんは、留学生と一緒に生活しながら、家族内のルールを決めていった。ポール君は食事の後に食器を洗い、洗濯物も自分で取り込む。「食事が合うか心配でしたが、普段通り作り、好きな物を探りました」。ホストファミリーのやりがいについて、恵美子さんはこう話す。
「お互いの文化的背景が違うので、一緒に暮らすと視野が広がります。いずれ彼らの国も訪ねてみたい。子どもたちも刺激を受けたようで、長男はイギリス、次男はハンガリーに、それぞれ留学しました」
●求む!ホストファミリー 英会話は時間を決めて
留学生の受け入れはボランティアが基本。ホストファミリーのなり手を増やそうと、経済的支援にも力を入れるのが、早稲田大学だ。外国人留学生が5 千人を超える同大学は、通学時間が約1時間以内という条件で交換留学生の受け入れ家庭を公募。間留学生の食費や光熱費等相当分として、毎月ホストファミリーに7万7千円を支給している。
レジデンスセンターの森本真誉(まさよし)さんは、「増え続ける留学生に対し、ホストの数は慢性的に不足しています。1日2500円程度ですが、収入目的にならない範囲で、受け入れの壁を少しでも低くすることができれば」と話す。
受け入れを希望する家庭は、子育て世代が多いそうだ。子どもの英会話上達を期待し、家庭教師のアルバイトを頼むケースもあるという。「留学生は日本語を学びにきています。週1日、1日2時間など英語で話す時間を決めるといいですね」(森本さん)