これまで、九州や四国のレストラントレインを紹介しましたが、お住まいの地域によっては四国や九州まで行くのはそう簡単なことではありません。ですが、この列車は都内のなかでもとりわけ便利な池袋や西武新宿から乗車できるのが魅力的。

 また、「観光の時間はとれないけれど、レストラントレインに乗車してみたい」という方におススメなのが「IKEBUKUROディナーコース」(※運行は不定期)です。このコースはほかのコースと異なり発着ともに池袋なので、時間がない方でも楽しむことができます。

 私のお気に入りポイントは、2つ! まずは、高級感のある内装です。秩父の自然をモチーフにした内装は、新国立競技場を設計したことで知られる隈研吾さんによるデザイン。夜は照明もライトダウンされ、いっそう高級感が増します。

 つづいてのお気に入りポイントは、車内で加熱調理している料理です。多くのレストラントレインは、あらかじめ調理したものを途中駅で車内に積み込むのですが、この車両にはオープンキッチンが備わっており、その場で加熱調理された料理が提供されるのです。

 車内には調理中のいい香りが漂い、まるでレストランにいるような雰囲気を楽しむことができます。

 この日のディナーコースは、コクがありながらもさっぱりとしたアミューズの「牡蠣のロワイヤル」からはじまり、メインはとろとろに煮込んだ「埼玉県産和牛の煮込み」。デザートは「秩父産そば茶のブランマンジェ」と、まさに西武沿線尽くし!

 高級感ある車内で、できたてのコース料理を食べながらふと窓の外を見ると、そこは所沢駅のホーム。電車待ちをしている人と目が合うまで、今自分が列車に乗っていることを忘れてしまうような非日常の空間が車内に広がっていました。

 今回ご紹介した以外にも、まだまだおすすめのレストラントレインが日本各地を走っています。今度の休日は、いつも頑張っている自分へのご褒美に、ちょっと贅沢なオトナ女子旅に出かけてみませんか?(文/古谷あつみ)

※メニューなどは乗車時のものです。乗車日によって変更となる可能性があります。

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