鴻上尚史
人がいるのに、会話がない。人がいるのに視線が合わない。人がいるのに、それもかつては心を通わせ会話した相手なのに、今はなんのつながりもない。それは、強烈に孤独です。
だったら、独りの方が何倍も精神衛生上良いだろうと思います。
そして、本当に独りになったら、そこから関係の糸は広がっていくんじゃないかとも、僕は思っています。だって、今は会話しない夫がいるから、誰かを家に招待して、映画を見たりお酒を飲む、なんてできないでしょう。本当に独り暮らしになったら、気軽に外出できるし、友達だって気軽に呼べるのです。
金平糖さんは、離婚したら「天涯孤独」と心配していますが、出会いは間違いなく増やせると思うのです。
僕のアドバイスは、今の「ぬるい地獄」のような状況はなんらかの方法で早く終わらせた方がいいということです。
まず、「これが最後だと思って、夫に話し合いを提案する」ということをお勧めします。
それは、「夫はこの状態をどう思っているか？」ということです。
離婚も考える金平糖さんに対して、「夫は離婚するつもりがあるのか」ということを確認する必要があると思うのです。夫も、今の状態を決して快適とは思ってないはずです。このまま、だらだらと続けるつもりなのか。
でも、夫は、話し合いを拒否しようとするでしょうから、「これから先のこと。離婚を含めた話し合いをしたい」とはっきりと言うことが大切だと思います。
心が折れそうになると思いますが、たった一度です。思い切って、大きな声で話しかけてみて下さい。もし、そこで、夫の希望が聞けたら、事態は変わるでしょう。
離婚するつもりはないけれど別居したいとか、お互いがこんな風になればもう一度やりなおせるとか、何らかの希望が見えれば、ひとつの前進です。
夫がまったく話し合いに応じてくれなければ、次の段階です。
弁護士さんに入ってもらうのです。
それは、「離婚」に向かって進むということです。
鴻上尚史
しいたけ.
西崎彩智
ジェーン・スー
