A:まず動作や姿勢を振り返ること
ぎっくり腰とは病名ではなく、急性腰痛といいます。あくまで急性で2日ほどすれば治ります。これは言わば筋肉のこむら返りだからです。筋肉が縮んでつるようなものの一種が含まれます。
高齢者の場合、ぎっくり腰だと思っていたら椎体骨折だったケースもありますので、一度整形外科を受診しましょう。
高齢者は筋肉の機能が衰えてきて起こりやすくなります。腹筋を使うよう意識して生活することが大切です。癖になる人とは、「腰に負担のかかる動作や姿勢をよくする人」と言えます。
Q:腰痛をがまんしていたら、脚がしびれるようになってしまった。なぜ?
A:脚のしびれが病気の本質です
腰部脊柱管狭窄症や腰椎変性すべり症の人は、腰やお尻が痛くなって、だんだん症状が進むと脚のしびれまで感じるようになります。それは、病気の原因である神経圧迫が進行した結果ということになります。
脚のしびれが先に出現することもよくあります。腰部脊柱管狭窄症や腰椎変性すべり症は腰痛がほとんどないこともあり、脚のしびれがこの病気の本質だと理解してください。
下半身にまで症状が広がっている場合には、早期に適切な診断を受けるため整形外科を受診しましょう。
Q:腰痛は温めたほうがいい? 冷やしたほうがいい?
A:慢性的な腰痛は温めましょう
実は、その区別は非常に難しいです。一般的には、慢性的な腰痛は筋肉の緊張をゆるめるために温めたほうがいいケースが多いです。高齢者に多い、筋肉が凝り固まっている場合にも、温めることのほうがすすめられます。ただし、お風呂などで温めたら痛みが増す場合には、冷やしても問題ありません。
一方、急性期には炎症反応を起こしているので、冷やしたほうがいいと考えます。具体的には、捻挫や打撲、酷使して痛めた直後、スポーツなどで挫傷した場合などです。急性期とは、発症から2~3日を指します。
(文/小久保よしの)
(監修)
JCHO大阪病院
副院長 冨士武史医師
※週刊朝日ムック『首腰ひざのいい病院2020』から
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