また、近年発売の自動車の場合、運転支援などの安全装置が搭載されている車も多く、その場合は装置に支障をきたさないよう、フロントガラスに設置できる範囲が限られてしまう。こうした車種の場合、コンパクトに設置できる360度ドラレコは有利だ。
だがデメリットもある。何と言っても360度カメラは性能がまだまだ発展途上であるという点だ。画質が「4K相当」とうたっている商品もあるものの、解像度や夜間でも明るくはっきり録画できる点ではどうしても通常のカメラに性能が劣ってしまう。
そのため、夜間に当て逃げされた車のナンバーなどをしっかり押さえておきたいような場合、360度ドラレコにしてしまったことで不鮮明にしか記録できなかった、という事態も考えられる。また、映像が360度全て車内の様子も含めて記録されてしまうため、通常の事故などで裁判になった場合、自分に不利な部分も証拠として残ってしまう可能性もある。
■車内外+後方の3カメラドラレコも主流に
こういったリスクを回避するという点では、通常のカメラによるドライブレコーダーを複数設置するという選択肢も考えられる。360度カメラに頼らない場合、フロントに車外用と車内用、そしてリアに後方撮影用の3台のカメラを取り付ける方法がある。この方法だと1台1台のドライブレコーダーの特性に合わせて組み合わせることも可能になるし、性能面に対するコストパフォーマンスも良くなる。だが、前に2台のドライブレコーダーがあるとその分視界を遮ってしまうし、電源の確保など設置の大変さもある。
そこで近年登場している商品が、フロントに車外用と車内用に前後カメラが2つついているものだ。これと後方撮影用のドライブレコーダーを設置すれば、ドライブレコーダーの数が2台に減らせるし、前方視界の確保もその分できるというわけだ。こうした車内外一体型のドラレコのうち、国内メーカーからはセルスター工業の「CSD-690FHR」(実売価格・税込み2万5000円前後)などが発売されている。