あおり運転が社会的な注目を集め続けている。8月には茨城県の常磐道をはじめとするあおり運転によって宮崎文夫容疑者が強要容疑で逮捕されたほか、9月8日には愛知県の東名高速でエアガンを乱射しながらあおり運転をする事件が起こり、佐藤竜彦容疑者が逮捕されている。
これらの事件がメディアで大きく取り上げられ、警察も捜査に積極的に動いているのは、いずれも映像の存在が大きい。こうした映像を自動で録画してくれるドライブレコーダーの存在は、被害にあった際に泣き寝入りしないためには、今や必要不可欠な機器となっている。もちろん、録画していることを相手に知らせることで、あおり運転の抑止力にもなり得る。
購入を検討しているドライバーも多いのではないだろうか。では、どんなドライブレコーダーを装着すればいいのか。価格や機能面などから大きく分けて紹介しよう。
■常磐道の事件でも活かされた360度ドラレコ
旧来のドライブレコーダーは、前1方向のみを映すタイプのものが主流だった。もちろんこれだけでも、事故が起きた時の有力な証拠にはなりえる。だが、あおり運転のように車の後ろにぴったりつかれたり、ドライバー同士がトラブルになって運転席のドアをドンドン叩かれたりした場合には、あまり有効な記録にならないという欠点がある。
そこで登場するのが、1台のカメラで360度の範囲で録画ができるドライブレコーダー(以下、360度ドラレコ)だ。常磐道の事件で、被害車両に搭載されていたのもこのタイプのドラレコだ。容疑者が運転する車が後方から迫り、追い抜いて被害者の車の前に出て進路を塞ぐ様子、そして車内で被害者の運転手を暴行する様子が360度カメラによって録画されており、これが動かぬ証拠となった。
360度ドラレコは複数のメーカーから発売されている。例えばコムテックの「HDR360G」(実売価格・税込4万円前後)は、高さ11センチ、横6.6センチと小型のスマートフォンの大きさながら、液晶が内蔵されておりリアルタイムに録画している映像を確認できる。記録した映像はパソコンで360度確認することが可能だ。また1年間限定で、事故の際に2万円のお見舞い金がもらえるという補償サービスも付いている。