大阪桐蔭の西谷監督 (c)朝日新聞社
大阪桐蔭の西谷監督 (c)朝日新聞社
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 プロ野球ペナントレースもいよいよ大詰め。そんななか、パ・リーグの首位打者争いは、森友哉(西武)が9月11日時点で3割3分9厘をマーク。2位・吉田正尚(オリックス)に9厘差をつけ、プロ6年目で初のタイトルに手が届くところまできた。

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 森といえば、大阪桐蔭時代から捕手としての能力はもとより、打撃センスの良さにも定評があり、甲子園での通算打率4割7分3厘は、PL学園・清原和博の4割4分を上回る。その森とバッテリーを組み、2012年の春夏連覇を成し遂げた1年先輩の藤浪晋太郎(阪神)も、シート打撃などで対戦した森を、「高校までに見てきた中で、一番いいバッター」と一目置くほどだった。

 そして、翌13年のドラフトで森が西武に1位指名されたときの恩師・西谷浩一監督のコメントも実に暗示的だ。

「ミート力、1球で仕留める力は、私が教えたなかで、森がナンバーワン。体は小さいけど、(スケールの)大きな選手になって、(小柄でも)できることを証明してほしい」

 当時の森は、選手名鑑に身長170センチ、体重80キロと記されていたが、本人によれば、「実際は168センチぐらいだった」という。大柄な選手が圧倒的に多いプロで輝かしい実績を挙げるには、かなりのハンデだが、西谷監督は森がそれを克服してプロで大きくはばたくことを願い、「彼ならできる」と確信していたようだ。

 体が小さくてもやれることを立派に証明した今季の活躍ぶりは、もちろん本人の努力抜きには語れないが、そんな野球に対する真摯な姿勢をも含めた恩師の評価は、「的確すぎる」の一言に尽きる。

 的確な評価といえば、昨年通算1000本安打と200本塁打を達成した中田翔日本ハム)もその一人だ。大阪桐蔭入学の時点で「将来プロになれる」と直感。「ウサギとカメ」のウサギにたとえ(ちなみにカメにたとえられたのは辻内崇伸)、松坂大輔(現中日)レベルの本格派も夢ではなかったが、2年時に右肘を痛めて以来、球のキレが戻らず、プロでは打者で生きる道を選んだ。

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教え子の“プロ入り後”を予見する眼力