



「えっ、この電車って乗ってもいいの?」普通列車に乗るハズなのに、やってきたのは特急電車……。旅先などでこんな体験をしたことはないだろうか。以前に紹介した記事「『隠れ特急』って何だ? 青春18きっぷで特急を楽しめる『乗り得列車』が話題に」では、全国のJR路線から、特急券なしで乗れる特急や特急車両を使った“隠れ特急”の現状を探ってみた。そこで、今回は私鉄や第三セクター路線を中心に、特急券などの追加料金がかからない、乗り得列車を紹介する。
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■「特急券なし」で乗れるホンモノの特急
私鉄・三セクの乗り得列車のなかで、比較的ポピュラーでも意外と知られていないのが、伊豆箱根鉄道駿豆線(三島~修善寺)の特急「踊り子」だ。国鉄時代の1981年に導入された185系特急形電車で運行中の唯一の定期特急列車で、JR東海道本線経由で東京と修善寺とを結ぶ(東京~熱海間は、伊東・伊豆急下田に直通する「踊り子」と併結運転)。
もちろん「特急」なので、JR線内および伊豆急行線内(伊豆急下田発着)では、乗車券のほかに特急券が必要になる。しかし、伊豆箱根鉄道駿豆線内では特急「踊り子」として運行され、主要駅のみの停車になるものの、特急券なしで乗車できる。
185系電車は2021年までに引退予定であることが伝えられている。国鉄時代の車両は年を追うごとにその数を減らしており、首都圏では希少な存在だ。そういう観点からも乗っておきたい列車のひとつといえる。時間帯が合うのであれば、リクライニングシートで快適なトリップを体験したい。
■「例外」を知ると乗り得な東武特急
東武鉄道の500系特急「リバティ」にも、乗車券のみで利用できる区間がある。500系は、2017年4月にデビューした東武鉄道最新鋭の特急形電車だ。回転リクライニングシートには折り畳みテーブルのほかコンセントやWi-Fiも完備。「江戸紫」をモチーフにデザインされた座席は1000mmのシートピッチが確保されるなど居住性がよく、2018年5月には鉄道友の会ローレル賞が贈られている。