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草刈民代さんを見るたびに思い出す言葉がある。それは映画「Shall we ダンス?」の撮影前、彼女が語ったという言葉。
【写真】斎藤工が「この人になら心を委ねてしまう」と言った女性とは?
「社交ダンスは踊ったことはありませんが、振り付けていただければ踊れます」
草刈さんはバレリーナで、映画初出演。公開直後に監督の周防正行さんと結婚した。週刊誌の記者として2人のエピソードをあれこれ取材し、入手した一つがその言葉だった。
バレリーナとしての誇りと、自分の技術への圧倒的な自信。それがよく表れていて「草刈民代、やるなー」と思い、以来彼女の活躍を見るにつけ、思い出す。
ここから斎藤工さんの話をする。彼は「振り付けていただければ、踊れます」の人だと思う。主役でなくても、カッコイイ役でなくても、踊れるから踊る。そういう人だと思う。
と思ったきっかけは、8月4日に放送された「いだてん~東京オリムピック噺~」29回と、その回の斎藤さんについて熱く語る宮藤官九郎さんだった。
斎藤さん演じる高石勝男は、2度の五輪出場で銅メダルも取った実在の水泳選手。ピークを過ぎたロサンゼルス五輪では、「ノンプレイングキャプテン」という立場を与えられる。選手になることを諦めていない高石は、選手村でも門限を過ぎてからこっそり練習する。だが記録は伸びず、苛立ち、「ノンプレイングキャプテンなんて、補欠の大将やんけ」と叫ぶ。そして最終選考会、結果は最下位。
その放送翌日、宮藤さんはパーソナリティーをつとめるラジオ「ACTION」で斎藤さんについて喋りまくっていた。「今、俺、誰に抱かれたいかっていったら、斎藤工さんだと思いました」と言い、「今日か明日、抱いてくれないかなー」と重ねていた。
宮藤さんはそもそも「高石=斎藤工」というキャスティングを聞いた時、「出てくれんのかなー」と思ったそうだ。まだ執筆中だったから、泳いだり試合に出たりというカッコいい場面がないかもしれない、それでも引き受けてくれるかなーと。
ところが、斎藤さんからオーケーが出た。それでもあまり腑に落ちていなかったことを、宮藤さんはこんなふうに語っていた。