星稜のエース奥川恭伸 (c)朝日新聞社
星稜のエース奥川恭伸 (c)朝日新聞社

 今月6日に開幕する夏の甲子園。3日には組み合わせ抽選会が終わり、対戦カードも決まったが、令和最初の大会を制するのは果たしてどこになるのか。ゾーンごとに有力校、注目カードを紹介する。

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・第1ゾーン
海星(長崎)
聖光学院(福島)
智弁学園(奈良)
八戸学院光星(青森)
誉(愛知)

 ともに強打が売りの智弁学園と八戸学院光星が少しリードしている印象。智弁学園は170cmの1番・塚本大夢、165cmの3番・坂下翔馬と小柄ながらパンチ力抜群の二人が打線を引っ張る。下位打線も長打力、出塁率ともにある選手が揃う。打線の破壊力では八戸学院光星も負けてはいない。青森大会6試合で15本塁打を記録しており、スタメンの中で3人が5割を超える打率をマークしている。ともに投手陣には不安があるだけに、2回戦で直接対決となると壮絶な打ち合いになりそうだ。

・第2ゾーン
佐賀北(佐賀)
神村学園(鹿児島)
高岡商(富山)
石見智翠館(島根)
履正社(大阪)
霞ヶ浦(茨城)
静岡(静岡)
津田学園(三重)

 投打のバランスでは履正社が一歩リードか。1番・桃谷惟吹、3番・小深田大地、4番・井上広大と長打力のある打者が中軸に並ぶ打線は迫力十分。エースの清水大成は140キロを超えるスピードが武器のサウスポーで、2番手の岩崎峻典が大阪大会で7回コールドながらノーヒット・ノーランを達成するなど成長してきたのも大きい。初戦で対戦する霞ヶ浦のエース鈴木寛人は今大会屈指の好投手。履正社の強力打線を相手にどのようなピッチングを見せるかに注目だ。

 この2校以外では津田学園も面白い。選抜は初戦で龍谷大平安を相手に延長戦の末に敗れたが、プロ注目の大型右腕・前佑囲斗、俊足巧打のリードオフマン・大音壱汰、三重大会で2本塁打を放った主砲の前川夏輝など能力の高い選手は多い。初戦は実力校の静岡が相手だが、ここを突破すると一気に勢いに乗る可能性はあるだろう。

第3ゾーン
星稜(石川)
旭川大高(北北海道
秋田中央(秋田)
立命館宇治(京都)
米子東(鳥取)
智弁和歌山(和歌山)
明徳義塾(高知)
藤蔭(大分)

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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