選抜準優勝の習志野が中心。本格派右腕の飯塚脩人、技巧派サウスポーの山内翔太と二人の安定した投手を中心にした守りには安定感がある。打線も長打力はそれほどでもないものの、足を使える選手が揃っており、機動力で相手にプレッシャーを与えられる。

 続くのは関東一、山梨学院の関東勢二校か。関東一は本格派の谷幸之助、制球力が武器の土屋大和の好投手二人を擁する。抜群のスピードを誇るトップバッターの大久保翔太がかき回し、平川嶺、平泉遼馬の中軸で返すパターンができているのも心強い。4年連続の出場となる山梨学院は打力が売りのチーム。右の長距離砲である野村健太に注目が集まるが、その前を打つ相沢利俊、菅野秀斗も長打力は申し分ない。タイプの異なる投手陣の継投が上手くはまれば、上位進出も十分に狙えるだろう。

第6ゾーン
岡山学芸館(岡山)
広島商(広島)
筑陽学園(福岡)
作新学院(栃木)

 春夏連続出場の筑陽学園と9年連続の夏の甲子園となる作新学院の対戦は1回戦屈指の好カード。筑陽学園は福岡大会では背番号10だった西舘昂汰の成長が大きい。この夏は7試合、43回1/3を投げて50奪三振をマーク。長身から投げ下ろすボールは春に比べて明らかに力強さが増した。九州屈指の捕手である進藤勇也の強肩、4番を打つ福岡大真の強打にも注目だ。作新学院は例年のようにきっちり夏に合わせてきた。強打のトップバッター横山陽樹、攻守の要である3番の石井巧など昨年夏を経験したメンバーも残る。投手陣に絶対的な安定感はないものの、堅実な守備と機動力が使える攻撃も高レベルだ。

 15年ぶりの出場で古豪復活を目指す広島商も、伝統の細かい野球に打線の力強さが加わっており、投手陣の頑張り次第では面白い存在と言えるだろう。

第7ゾーン
東海大相模(神奈川)
近江(滋賀)
中京学院大中京(岐阜)
北照(南北海道

 東海大相模と近江の対戦は初戦最大の注目カードだ。東海大相模は神奈川大会の決勝で24点を奪った強力打線に注目が集まるが、次の塁を積極的に狙う走塁やここぞという場面では確実に犠打を決めるなど、攻撃のバリエーションが多彩。投手陣も絶対的なエースは不在だが、タイプの異なる複数のピッチャーを揃えており、全体的なレベルは高い。

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チーム打率4割超えの花咲徳栄