■外部からの働きかけで子どもを動かしてはいけない
つまり、親が「やってはいけない」とわからせたいことがあるのなら、ストレートに「してはいけない」と怒ったり、「やらなかったらこれを買ってあげる」とご褒美でつったりするなど、外部からの働きかけで子どもを動かしてはいけないのです。
子どもが自らの心の中で、一度でも「これはしてはいけないことだ」「これはすべきことだ」と納得させるのがポイントとなります。
それならば、親がすべきことは、子どもが「心を動かす」ように誘導することです。私の場合、「うそはいけないことだって、○○くんならとっくに知っているもんね?」と言って、子どもの自尊心をくすぐっています。
また、うそをつかれたときには、「まさか○○くんがそんなことをするなんて……」と、大げさに絶望します。自分の心の中で子どもが「うそをつかないようにしよう」と自発的に納得することができたら成功です。そして人は、一度「自分はうそをつかない人間だ」と思うと、そのイメージを今後も維持しようと努めるという習性をもっています。
もちろんこれは、子どもだけでなく大人にも通じる話です。私は自分のことを「すぐサボりたがる人間だ」と思っています。おかげで、なにかの作業中に疲れてくると、「このまま休んでもいいのではないか?」と眠ってしまい、後でギリギリになり困ることがあります。
大人になってからも、うまく誘導して「君は最後までサボらない人間だ」と思わせてくれる人がいると、ありがたいのですけどね。