「(自分が出ている)CMが流れてきたら、大声で『ママ~』って呼んで気づかれないようにするし、友達にドラマを見たよっていわれるのも本当は嫌。だって恥ずかしいから。授業中に手を上げるのもたまにで、3ヶ月に2回くらいかな(笑)」
およそ芸能人らしくない発言だ。また、ギャラの高騰ぶりを伝えた前出の「週刊文春」には「初対面の人にはむくれて目も合わせなかったり」(テレビ関係者)という証言が。実際「初対面」の記者が過去の発言を調べてそのことを聞いても「知らな~い」「わからな~い」の連発だったという。おかげでこの記事「大橋のぞみちゃん、最近評判悪いよ」というタイトルが付けられてしまった。10歳の子供にそこまで言わなくてもとも思うが、彼女の場合、いわゆるプロ子役たちほどには芸能活動へのモチベーションも高くなかったのだろう。
しかも、彼女の芸能生活最後の1年には、芦田を筆頭に子役ブームが起きていた。人気が出たのは「プロ子役」寄りの子が多く、違うタイプの彼女はそういう流れのなかで芸能界を自分が居続ける世界だとは感じなくなったのかもしれない。
また「ポニョ」が大ヒット中には、藤岡が多忙から鬱状態になり、リタイアするという出来事もあった。一緒に歌っていた大の大人が不調をきたすのを目の当たりにした経験は、おさなごころにこの業界の苛酷さを刷り込ませたに違いない。
■芸能界引退は祖父の影響?
そんな彼女の芸能界復帰は、今後あるのだろうか。じつは中2の冬「週刊文春」に「ポニョ 大橋のぞみは中学2年生 吹奏楽部所属で身長160センチ!」という記事が掲載された。そのなかで、昔、子役をやっていたという祖父が、
「正直言ってあの世界は特殊。あまり長くいちゃ駄目です。人気がなくなってボロボロになってから辞めても、普通の社会の常識とか身についてないからその後の人生が大変でしょう」
と語っている。この祖父と同じ時代に子役をしていたと想像されるのは風間杜夫や火野正平あたりだが、それ以降、人気を博した子役のなかには職を転々として借金苦に陥ったり、殺人で逮捕されたりする者も出た。「その後の人生が大変」だとする祖父は、小学校卒業後の学業専念をすすめていたようで、彼女の決断にも少なからず影響を与えたのだろう。