「大規模な皆伐が増えれば土砂災害を誘発します。そして、その災害復旧費用も国民の税金で負担しなければなりません。経済的にも環境的にも国民生活に大きな影響を与える法案であるにもかかわらず、国民にほとんど説明がなされていません。それが最大の問題です」
林野庁は指摘に対し、こう説明する。
「伐採と再造林のコストについては、林野庁としても重要視しています。皆伐だけではなく、多様な伐採方法も認めて、国民負担を下げるようにしていきたい」(林野庁経営企画課)
法案は、30日の参院農林水産委員会で採決が行われる。前出の鈴木氏は言う。
「貿易交渉の密約も国有林法の改正も、トランプ接待外交ばかりが報道されるうちに、国民の知らないところで物事が進んでいる。日本人は、その事実を知らなければなりません」
(AERA dot.編集部・西岡千史)