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日本を代表するIT企業「楽天」の売上高が初めて、1兆円(2018年度12月決算)を超えました。これは、1990年以降に新規に創業した会社では初の快挙です。楽天はなぜ、他のベンチャー企業に先んじて飛躍することができたのでしょうか。その理由を、元楽天タイ子会社COOで『楽天で学んだ100%やりきる力』の著者である廣田大輔さんに解説してもらいました。
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私は、楽天入社直後、楽天市場というインターネットショッピングモールの出店営業を皮切りに、出店されている企業の売上向上を図るコンサルタント、楽天市場の事業戦略構築・新サービス開発、買収した銀行への出向、国際部、タイの現地法人COO(最高執行責任者)と刺激に満ちたキャリアを積ませていただきました。
そんな楽天に在籍した約10年半の思い出の中でも特に忘れられないのが、「Get things done」という標語です。なぜなら、この言葉にこそ、楽天が売上高1兆円企業になりえた秘密が隠されていると思うからです。
「Get things done」を直訳すると「物事が完了された状態にせよ」となりますが、この言葉には「一人一人が物事を達成する強い意思をもつことが重要」という説明が添えられていました。いわば「100%やりきれ」ということです。
この「Get things done」は、何か重要なプロジェクトに携わり、それを完遂しなくてはならない場合などに特に強調されます。時には目標達成後に、目標の上方修正が行われる場合もあります。そのような時も「Get things done」です。新たな目標を達成するための追加施策を列挙し、一つ一つやりきっていきます。やりきるプロセスの中で、これまで以上のアイディアが出てきたり、協力してくれたメンバーとの関係性が強固になったりすることもよくあります。そして何よりも、やりきることの積み重ねが成長につながることを実感することができ、大きな自信を得ることができます。
何が何でも目標を達成するという意思を、身をもって磨くこと。これが楽天のメンバーとして仕事をしていく上で、特に重要でした。楽天では「99点は0点と同じ」と評価されます。成果の判断基準は一つだけ。つまり、物事を「達成しているか」「達成していないか」で判断されるのです。
一つ一つの仕事を100%やりきることで、一人一人の社員が成長し、社員が成長することで会社も成長します。1兆円という売上高も、一人一人の社員の成長が積み重ねられていったからこそ成し得られたのだと思います。
楽天には、社員が小さな努力を積み重ねられるツールがそろっています。たとえば、日報によって、各事業、サービスにおける重要業績評価指標(KPI)が日々どのように進捗したかが一目瞭然でわかるようになっています。また、売上データが1時間ごとに届き、取引額の途中経過もオンタイムでわかるようになっています。社員たちはこうした数字を見て、常に対策を練り続けているのです。