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理不尽な存在との付き合い方を描いた『頭に来てもアホとは戦うな!』がシリーズ75万部を突破した。悩める人々を救ってきたこのベストセラーが、知念侑李(Hey! Say! JUMP)主演でドラマ化され、好評放送中だ。
ドラマ化を記念して、原案者の田村耕太郎と、脚本を担当する吹原幸太が、放送に先駆け、各回のエピソードに登場するアホの特徴や、かわし方について議論する。今回は「マウントアホ」について。
■できる人ほどマウンティングをしない
吹原:第4話で登場するアホは、仕事でもスポーツでもなんでも上に立とうとする“マウントアホ”です。
田村:日本でマウンティングをする人が目立つ理由の一つは、教育にあると思います。学校では、他人との比較が基準になっていますよね。偏差値なんてその典型です。他人の目を気にして生きるように教育されているうちに、人の上に立って悦に入りたい気持ちが湧いてくるのではないでしょうか。
吹原:海外ではどうでしょうか。
田村:私の知る範囲では、他人と比較するのではなく、自分のことをよく見つめて、いいところを生かそうとする教育が主流です。だから、マウンティングをしてくる人間はあまりいません。さらに、高い地位にある人ほどフランクです。大企業のトップが、ファーストネームで呼んでくれなんてことを言ってくることも多いですよ。
吹原:なかなか呼べませんよね(笑)。
田村:そうなんです(笑)。ただ、その意図を分析すると、仕事のパフォーマンスを上げることにあるのではないかと思います。リラックスした状態のほうが、人は自分の力を発揮できますからね。逆に、威張っている、つまりマウンティングしている人間の前では、多少なりとも萎縮してしまう。最良の結果を得たい場合、マウントをとることは無意味です。
吹原:わかります。
田村:さらに、マウンティングしないことで、フランクな印象を与えることができます。相手の地位が高ければ高いほど、気安く接してくれると人は好印象を持ちます。海外の要人は、人間のそうした心理を利用して、人間関係を巧にコントロールしています。