“日本バスケットボールの黄金世代”--。現在、活躍している世代をそう呼ぶのはまだ少々早すぎるのだろう。しかし、日本、アメリカの様々な場所で躍動する選手たちは、いずれそんな風に呼ばれることになる可能性を間違いなく感じさせてくれている。
ここしばらくの間で、日本バスケットボール界の“夜明け”を感じさせる出来事が数え切れないくらい起こった。まずは昨年10月、メンフィス・グリズリーズと2ウェイ契約を結んでいた渡邊雄太がNBAデビューを飾り、日本人史上2人目のNBAプレイヤーが誕生。2004年に田臥勇太が第1号になって以降、遠い場所になっていたNBAの壁を見事に破ってみせた。グリズリーズの一員として今季15試合に出場した渡邊の足跡は語り継がれていくはずだ。
この渡邊以外にも、何人かの精鋭たちがアメリカで活躍している。中学生時から日本代表候補になった新鋭・田中力は、昨秋にIMGアカデミーに進学。IMGアカデミーは4月上旬のガイコ・ナショナル・チャンピオンシップス(米高校バスケの強豪校を招待して全米一を決める)で優勝し、田中はまだ控えの役割ながら渡米1年目にしてアメリカNo.1の高校チームの一員となった。
カレッジに目を移しても、ノースカロライナ大ウィルミントン校でプレーするテーブス海が今季は先発PGとして全米2位の平均7.7アシストを記録。さらに“真打ち”の八村塁がゴンザガ大学のエースとして君臨し、NCAAトーナメントでもチームをエリート8まで導いたことは記憶に新しい。
八村は16日に今年度のNBAドラフトへのアーリーエントリーを表明。日本人史上初のドラフト1巡目指名でのNBA入りは確実な状況で、ここで日本バスケットボールに新しい歴史が刻まれようとしている。
「自分もずっとNBAを目標にしてきて、簡単な道ではなかったですけど、一生懸命に努力して、ここまでやってきた。夢はかなえられるということを、まだ第一段階ですけど証明は出来た。NBAという夢を持っている高校生、中学生、小学生とか、まだNBAという目標は持っていないけど、これからNBA という目標が出てくる子供たちとかは、その夢をずっと追いかけて、ひたすら努力して欲しいなとは思います」