それが会社員の方だと、半分仕事みたいな感じで上司に誘われたりとかあると思うので、逆にどうやってるんだろう……。みんな大変ですよね。
奥さん(山口もえさん)はもともと僕がそういう感じだとわかって結婚しています。ケースバイケースでしょうけど、例えば若いうちに結婚されて、仕事で出世して立場が変わっていくということもある。お互いの仕事のルーティンや職種への理解は必要だと思うんですよね。
――職場では世代によって考え方の違いもありますよね。
そうですね、時代は完全に過渡期。でも上司の世代は子育てをしてこなかったのが当たり前で、しょうがないんですよ。正論をぶつけたって、それぞれの正論が違うからただ対立するばっかりだし、ごまかしごまかしやるしかないと思うんです。お互いがその時代の生き方を理解し合うしかない。
いまパワハラやセクハラが大きな問題になっているのも同じことで、無理もないんですよ。もちろん、昔の運動部でされていた体罰のような指導が間違っていたのは明らかだし、ちゃんと変えていかなきゃいけないわけですが、そういう人生を歩んできて、当時はそれが正しかったのに、急にガラッと変わるというのも難しい。それを若い人たちが一方的に叩いても、可愛そうな面もあると思います。時代が変わっている最中だから。逆もそうです。
ちょっと怒ったらパワハラだってなるのも行き過ぎているし、過剰なクレームみたいなことばかりになってしまうのも良くないし、そこは本当に難しいなと思います。
――そんな過渡期に、人前に立つ仕事は大変ですね。
家族に関することでも、難癖つけようと思えば付けられてしまうし、あえて違う解釈をして叩くみたいなことも実際にあるわけです。僕はSNSをやっていませんが、子どもと公園で花の蜜を吸ったっていう投稿が窃盗だ、器物損壊だって言われちゃう時代です。ほのぼのとしたエピソードだと思って投稿したはずなのに、批判されちゃうのはどう考えても間違っていると思うんです。でも子どもたちはそういう時代に育っていくわけで、すごく心配ですね。