私自身、体力的にも精神的にもかなりクタクタ。いつ何が起きるかわからないので、常に気が張っています。たとえば野上が熱を出したとき、すぐ病院にいくべきなのか自宅で安静にしていていいものなのか、私にはわからない。血を吐いたときにはさすがにすぐ救急車を呼びましたけど、熱だと見極めが難しいことがあります。私が判断をまちがうと命にかかわるかもしれないと、責任の重大さに押しつぶされそうになります。
また、野上の体調が悪いとき、同じ空間にいると私まで気が滅入ることも。冷蔵庫のにおいとか足音とかにも過敏に反応してしまうようで、私は息を潜めて生活することになりますが、そばに付き添ってはいたいんです。
精神的にぎりぎりの状態になると、私は一人で2階に行き、大声を出してハアッと気合いを入れます。「なりたくて病気になったわけじゃない」と自分に言い聞かせながら。野上が不機嫌になったりふさぎ込んだりするのは、本人が悪いからじゃない。そう考えると、私の気持ちも落ち着きます。体調が戻れば、不機嫌だったことのフォローをしてくれるのもわかっていますしね。本人がそうしたかったからではなく、体調が悪かったから。それだけなんです。