阪神時代の新庄剛志=1999年2月1日撮影 (c)朝日新聞社
阪神時代の新庄剛志=1999年2月1日撮影 (c)朝日新聞社
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 今年4月で幕を閉じる平成。昨年末には平成のプロ野球ベストナインを選出したが、今回は守備だけに焦点を当てた「平成のゴールデングラブ賞」を選んでみたいと思う。単純な実際のゴールデングラブ賞受賞回数ではなく、どちらかというと印象に強く残る選手を優先して選出した。まずはセ・リーグ編からお届けする。

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※所属はセ・リーグの球団在籍当時。

■投手
浅尾拓也(中日
次点
桑田真澄(巨人
前田健太(広島)

 かなり迷ったが、2011年に中継ぎ投手として史上初となるゴールデングラブ賞を受賞した浅尾を選んだ。浅尾の凄さはとにかく打球に対する反応の良さと、捕球から送球への素早い動き。センターへ抜けようかという打球に対してジャンプして飛びつく、足を出して止めるなど、自らの守備で多くのピンチを防いだ。1点が試合を左右する終盤を任されていながらそれだけのプレーができる点も高く評価できる。

 次点はゴールデングラブ賞の常連だったPL学園の先輩、後輩の二人を選出した。桑田は小フライをダイビングしたことが原因で右ひじを故障することになったが、内野手を彷彿とさせる俊敏な動きは強く印象に残っている。前田も高校時代からそのフィールディングには素晴らしいものがあり、バント処理で見せるダッシュと軽快な反転は今も健在だ。

■捕手
古田敦也(ヤクルト
次点
谷繁元信(横浜・中日)

 捕手はやはり文句なしで古田。盗塁阻止率4割以上13回、5割以上5回、6割以上2回は見事という他ない。1993年に記録した.644はいまだにプロ野球記録である。地肩の強さもさることながら、柔らかいハンドリング、軽快なフットワーク、そしてコントロールの正確さも見事。また、相手打者の弱点を徹底的に突く配球は古田の代名詞となり、日本シリーズで滅法強い点も高く評価できる。

 次点の谷繁は若い頃から強肩は目立ったが、32歳となる2002年にFAで中日に移籍した後に凄みが増した。スローイングは衰えを見せず、リード面でも強力投手陣を支える存在としてチームの黄金期を支えた。捕手という負担の大きいポジションながら40歳を過ぎた2011年、2012年にゴールデングラブ賞を受賞しているのも評価できるだろう。

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