■一塁手
駒田徳広(巨人・横浜)
次点
シーツ(広島・阪神)
ロペス(巨人・DeNA)
守備の印象がどうしても薄くなるファーストだが、平成の名手と言えばやはり駒田になるだろう。若い頃は外野を守ることも多かったが、ちょうど平成の始まる1989年にファーストに固定され巨人、横浜で長くレギュラーを務めた。190cmを超える長身と長いリーチを生かした柔らかいハンドリングで、内野手のショートバウンドをたくみにさばく姿が印象深い。他の選手に安心感を与えられるファーストと言えるだろう。
次点は外国人選手二人となった。シーツはショートの守備が買われて広島に入団したものの、活躍が目立ったのは阪神移籍後にファーストにコンバートされてから。巧みな逆シングルのグラブさばきからのスムーズで正確な送球は見事だった。ロペスもアメリカでは主にセカンドが本職だったが、来日してファーストの名手に変身した。出足が鋭く、グラブさばきも安定している。昨シーズンは故障で出場試合数こそ減少したものの、失策0で守備率10割を記録した。
■二塁手
菊池涼介(広島)
次点
荒木雅博(中日)
平野恵一(阪神)
“アライバ”コンビで一世を風靡した荒木、現代の牛若丸と呼ばれる守備を誇った平野を抑えて菊地を選出。全盛期の荒木と平野の守備範囲も広かったが、菊池は確実にそれを凌駕しているように見える。2014年に記録したシーズン535補殺は全ポジショントータルで見ても日本記録であり、2013年にも528補殺、2016年にも525補殺とこの数字だけでも圧倒的なパフォーマンスの証明と言える。過去2年間はコンディション不良もあって少し補殺数が減っているが、失策数は減少しており確実性が向上しているところも見事だ。近い将来、メジャーでもそのプレーで目の肥えたアメリカのファンを熱狂させてくれることを期待したい。
■三塁手
進藤達哉(横浜)
次点
岩村明憲(ヤクルト)
サードに花形の選手が多かった昭和とは異なり、どちらかと言えば打力重視で起用されることが多かった平成のサードだが、そんな中でセ・リーグから一人選ぶとなると進藤になるだろう。若手の頃はショートを任せられていたが、石井琢朗と入れ替わる形でサードにコンバートされてから才能が開花。球際の強さと正確な送球でチームのピンチを何度も救い、90年代後半の石井との三遊間はまさに鉄壁だった。
次点は平成では少なくなった若い頃から本職のサードとして活躍した岩村。入団当時は守備難だったものの、猛練習で年々レベルアップし、ヤクルトのホットコーナーを支えた。