個性派俳優・佐藤二朗さんが日々の生活や仕事で感じているジローイズムをお届けします。今回は、よく出没するというファミリーレストランについて。
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少し、ご無沙汰です。実は2月、とある地方でずっと映画の撮影をしておりまして、当コラムの連載、お休みさせて頂きました。その間に担当K氏が僕の存在を忘れることに少し期待を寄せたんですが、しっかり締め切り日を仰せつかったので、今、この原稿を書いております。再び、よしなに。
さて、このコラムもそうなんですが、最近ちょっとモノを書く仕事が幾つかありまして、私、わりと頻繁にファミレスにおります。
僕の行っているファミレスは、24時間営業なんですが、僕も仕事の合間に行ったりするものですから、僕が行く時間もマチマチです。そうすると分かるのですが、時間帯によって客層、様々なんですね、ファミレスって。
あくまで僕が経験した範囲だけの印象なんですが、たとえば朝早くだと、ご高齢の男性が多い気がします。会社を引退されて隠居の身という感じ。1人、朝のコーヒーを啜りながら、朝刊を読み耽る。そんな静かな時間が店内を満たします。
これが昼くらいになると店内は一変します。小さなお子さんを連れたお母様方、ママ友の会合などなど、一気に店内も賑やかになります。
昼を過ぎ、夕方くらいになると、今度は背広を着た方々をよく目にします。外回りの骨休め的な方もいらっしゃるでしょうし、打ち合わせでファミレスを使ってる方々もいるようです。
夜になると、ご家族の姿をよく目にします。僕も現場で頑張った子役さんによく、「今夜はご褒美に華屋与兵衛に連れてってもらいな」と言ったりするんですが、楽しそうにお食事するご家族の姿は微笑ましく映ります。
これが夜遅くなると、また店内の雰囲気も変わります。大学生くらいの若い方々が「どうする? このあと。カラオケ行く?」みたいな感じ。みたいな感じというか、実際このフレーズ(?)を何度も耳にしました。お酒が入って、何やら深刻な話をしている中年男女もいたりして。いやホント、ファミレスは老若男女、色んな層の方々が幅広く利用してるんだなと痛感します。そして俺、ずいぶん通ってるな、ファミレス。