心愛さんは繰り返しSOSを発していたのに、周囲の大人は助けてあげることができなかった。幼い子供を守るための体制づくりが求められている。
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記者会見で明らかになった心愛さんが「ウソの手紙」を書かされるまでの経緯は以下の通り。
■千葉県柏児童相談所・二瓶一嗣所長が語った内容
平成30年2月26日、柏児童相談所職員3名が生活状況確認のため、親族宅を訪問しております。この3名は、児童福祉司2名と児童心理司1名が伺っております。当初、親族・女児が在宅しておりました。その後、女児が別室に行き、さらにその後、父が来たという形で面接が進みました。
その中で父から引き取り希望があり、女児が書いたものということで、以下の文章、最後に女児の署名が付いたものが書かれたものを、児童相談所職員に見せられたということになります。以下は、その内容になります。
<お父さんにたたかれたということは、ウソです。山崎小学校の〇〇先生にきかれて思わずいってしましました。お父さん、お母さん、妹、(親族の呼び名)にたくさんの迷惑をかけてしまいました。ごめんなさい。ずっと前からはやく4人でくらしたいと思っていました。このあいだのときにも言いました。お父さんにはやく会いたいです。児童相談所の人にはもう会いたくないのでこないでください。会うといやな気分になるので、今日でやめてください。おねがいします>
これに署名があったものを相談所職員が見せられて、メモをしてきたということです。父から「今日で女児のことを家に連れて帰る」といったような発言がその後に聞かれております。
柏児童相談所職員からは、「この場で良し悪しを判断することはできないが、『良い』と伝えることはできない」と伝えました。そのことについては、事実を会議の場で報告させていただくことを伝え、訪問を終了とします。
平成30年2月28日、こういったやり取りをもとに援助方針会議を行っております。その中で、今回のことも含めて総合的な会議を行ったんですけれども、方針としては、この時に親族の体調不良等により親族宅での養育がちょっと難しいという話もありましたので、実際に親族宅で養育するのは難しいという状況でしたので、その中で父母宅に戻すことを考えるのか、それとも一時保護が必要なのかを検討しました。そのなかの議論としては、虐待の再発が認められないこと等をふまえ、実父母宅に戻すことを認めております。