文書に書かれている内容についてKAPにたずねると、こう回答した。
<被災・復旧対策におきましては、外国人幹部・日本人幹部を含む弊社の役職員が早期の避難及び復旧という共通の目的の下、一丸となり対策に当たっておりました。対立や対応方針の混乱があったという認識はございません。一刻も早い復旧に向けて、弊社幹部役職員において議論が白熱する場面はございましたが、ご指摘の「口論」とは認識しておりません>
民間の能力を活かして経営を効率化させるとして導入された空港民営化は、現在、福岡空港や高松空港などでも準備が進んでいる。だが、民営化された関空の災害対応は、とてもではないが「プロの仕事」とは思えなかった。だからこそ、関係者たちは怒りの気持ちで記録を残したのではないか。この文章には、悲憤の涙が満ちている。
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※質問状に対するKAPの回答は以下の通り。
──被災時に社内で口論があったのは事実でしょうか。
9月4日に台風21号によって関西国際空港は被災し、その後の被災・復旧対策におきましては、外国人幹部・日本人幹部を含む弊社の役職員が早期の避難及び復旧という共通の目的の下、一丸となり対策に当たっておりました。対立や対応方針の混乱があったという認識はございません。
一刻も早い復旧に向けて、弊社幹部役職員において議論が白熱する場面はございましたが、ご指摘の「口論」とは認識しておりません。すべての関係者がそれぞれの意見を出し、最善を尽くすという意識の中のものであります。
弊社といたしましては、今後も全社一丸となって、この度の被災による教訓を活かし、より安心・安全な空港運営の実現に向けて取り組んで参る所存です。
──人数の推定の間違いが、渋滞を引き起こした原因になったと指摘されています。
9月4日にお示した約3000人という人数につきましては、21時現在に空港内に滞留されていた「旅客」についての数ですが、一方、5日に実際に島外に出た約7800人という人数は、9月4日21時現在に滞留されていた上記の約3000人の旅客数に加え、従業員数千名も含む数です。従いまして、人数の推測を誤ったというものではなく、そもそもの数値の性質が異なるものとご理解いただければと存じます。