「みずいろの雨」「パープルタウン~You Oughta Know By Now」など1978年のデビュー以来多くのヒットを生み、ロサンゼルス在住のシンガーソングライター、八神純子が東京と大阪のビルボードライブ、名古屋ブルーノートで「The Night Flight」というタイトルのツアーを行う。
「このツアーは今回で6回目です。音楽プロデューサーでベーシストの後藤次利さん、ドラムス・村上ポンタ秀一さん、キーボード・佐藤準さん、ギターの北島健二さんという、音楽通ならば、おっ! と思うメンバーがバックです」
オリジナル通りのアレンジで歌うことにこだわる八神だが、このツアーだけは毎回違った風合いをもつ。「みずいろの雨」は後藤のアレンジにすべてを任せる。選曲は「思い出は美しすぎて」「想い出のスクリーン」などのヒット曲にレア曲も混じえていく。
八神は2011年に本格的に日本でのライヴ活動を再開した。
「ビッグバンドに声をかけていただいたことがきっかけです。ちょうど私自身の人生をもう一度考えていました。私、何がやりたいの? 自分に問うと、歌しかなかった。そのビッグバンドとのコンサートには後藤次利さんをゲストにお迎えし、2人でつくった『夜間飛行』を久しぶりに共演したんです」
以来八神は「歌いたい曲を歌いたいだけ歌う」と掲げる「ヤガ祭り」、全国各地で展開する「キミの街へ」、食事と音楽にこだわり抜いたディナーショー「Song for your Heart」、オリジナル曲を交響楽団の演奏により歌うBillbord Classics「PREMIUM SYMPHONIC CONCERT」など、セルフプロデュースにこだわり、観客との一体感を楽しむライヴを大事にしてきた。
The Night Flightの軸は、活動再開時に共演した後藤だ。1979年代に加藤和彦、高中正義、高橋幸宏らと組んだサディスティック・ミカ・バンドで、日本やイギリスで高い評価を受けた。その後、八神の音楽を手掛ける。さらに、おニャン子クラブとメンバーのソロの作曲のほとんどを担当した音楽シーンのレジェンド。その後藤が村上らを集めた。八神は今でも最初のツアーの時の緊張感を覚えている。