お互いを「パパ」「ママ」とか「お父さん」「お母さん」とか呼ばないヒロインの父母は多分、初めてではないだろうか。こういう役がしっくり来るのも滝藤さんだからだなあと思ったのが、「半分、青い。」オンエア中に見た「あさイチ」。滝藤さんが出演、プライベートを公開していた。

 4人の子どもがいる滝藤さんは、多肉植物をこよなく愛していた。あふれかえる鉢植えが映り、長男は「多すぎて困る」と言っていた。対等な、よい親子関係であることがしみじみ伝わってきた。

 滝藤さん、威張らない人なのだと思う。子どもにも威張らないから、長男が父に苦言を呈してしまえる。子どもに威張らない人は、女性にも威張らない。だから「ハルさん」が似合い、女装も似合う。

 女装が似合う人と似合わない人っていて、顔の形がどうとか、メイクがどうとかではないと思う。威張らない人しか、女装は似合わない。威張らないとはどういうことかというと、女性を対等に見られるということだと思う。

 などとやや力を込めて書いてしまったが、実際には「対等です」という意識ではなく、「普通に」女性と向き合えるかどうかだと思う。男が上とか女が下とか、今どきまだ思っている男性がいるとすれば論外で、上だとか下だとかでなく「普通」に向き合う。そういう男性は誰にも威張らない。そして、女装が似合う。

 女というのを57年間やっているので、この男性は「普通に」女性と向き合えるか、そうでないか、正しく判定できる(と勝手に自信をもっている)。ちなみに、時々は普通に向き合えるとか、相手によっては普通に向き合えるとか、そういう中間的な男性はいない。普通に向き合えるか否か。どちらかしかいない。

 私は松本人志さんが昔から大好きだ。松本さんは「ごっつええ感じ」(フジテレビ系)の「おかんとマー君」でも、現在の「松本家の休日」(大阪・朝日放送)でも、ずっと母親役。楽しそうにブラウスを着る。そういう人なのだ。

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