■「更年期障害」発言をめぐり在阪各局にクレーム殺到

 さらに、武智のもうひとつの暴言も世間からの怒りを買ってしまった。

「一番多いクレームが、スーマラ武智の『更年期障害』発言に対してなんです。M-1の放送・制作局である朝日放送を始め、在阪各局に対してクレームが殺到しています。スーマラがレギュラー出演している関西テレビの番組には、毎日200件以上の抗議の電話が届いているとのこと。朝日放送の上沼さんの番組には、スーマラがゲストだったのですが、急きょ(お笑いコンビの)ミキに変更になったそうです」(同)

 元大手芸能事務所でお笑い部門を担当した経験を持つ評論家のkenji氏は、今回の騒動をこう見ている。

「上沼さんが来年の『M-1グランプリ2019』の審査員を降りるということが大々的なニュースになってしまうと、東京、名古屋、大阪どころかローカル局での活動が確実にしづらくなる。東京、大阪で露出が難しい場合は、芸能事務所として名古屋、福岡、北海道の順番にマネージャーは営業を回るが、今回の騒動でどこも使いたがらないでしょうね」

 今後、おそらく吉本興業から相当のペナルティーが課されるようだが、批判の声に関してはそろそろ収束してもいい頃だと思うが……。

「結局『M-1グランプリ』自体をどう捉えるかがポイントになると思います。お笑い界の頂点を決めるお笑いの賞レースなのか、それともテレビショーなのか……そこを改めて考えるべきでしょうね。今回の騒動は、番組の構成に目を向けられないぐらい、命がけで笑いに対して情熱を注いでいた芸人たちの気持ちの現れですが、残念ながらあまりにも品がなさすぎる。以前、志村けんさんが『人はお酒が入ると本当のことしか言わない』と言っていたことを思い出します。彼らにしてみたら、人間らしさやお笑いに対しての強い愛情と上沼さんへの承認欲求が、そうさせてしまったと信じたいところではあります」(kenji氏)

 要するに、芸人としてではなくテレビに出演するタレントとしての資質が問われているわけだ。一方で、彼らを擁護する声も少なからず挙がっている。

「まず2人ともすぐに謝罪をしています。また、乙武洋匡さん(42)がツイッターで『それはそれ。これはこれ。この3年間、たくさん救われてきました。ビデオテープだったら擦り切れるほど。それでも僕は、スーパーマラドーナの漫才が大好きです。頑張れ。頑張れ』と擁護していました。それ以外にも、吉本の各先輩たちからは厳しいお叱りとともに、同情の声も聞かれる。博多華丸・大吉の博多大吉さん(47)もしっかり説教をしつつ、武智の持ちギャグを使ったコメントを残すなど、彼らの行動に一定の理解を示している。たしかに2人とも好き嫌いはあれど、芸人としてのスキルは高く、ほかにはない持ち味もたくさんある。とにかく心底、謝罪して上沼さんやスポンサー、視聴者に受け入れてもらい、今後の仕事につなげていってほしいですね」(民放バラエティーディレクター)
 
 関東地区の平均視聴率が17.8%、関西地区では28.2%(ビデオリサーチ調べ)に達するなど、昨今のお笑い番組として最も注目度が高い「M-1グランプリ」。場外乱闘にばかり目が向いてしまっているが、一番の“被害者”は優勝した「霜降り明星」かもしれない。(ライター・黒崎さとし)

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