沖縄県知事選で初当選した前衆院議員の玉城デニー氏(58)が4日、県庁に初登庁し、多くの職員らに拍手で出迎えられた。
デニー氏は辺野古新基地反対の民意が示されたことを受けて、筆者の取材にこう語っていた。
「安倍首相はぜひ玉城デニー沖縄県政と協議、話し合いをする姿勢を持ってくださいと言いたい。どういったことを話すのかについては個別具体的な話がありますが、基本的には政府が話し合う場を作るということを示してほしい。辺野古の件で対話なき法廷闘争しか選択肢がないと言うのであれば、我々もあらゆる手段を講じて抵抗していく。その時に私が持っている米国人と日本人のハーフというアイデンティティがたぶん、どこかで役に立つことがあるかもしれません」
沖縄県知事選投開票日の9月30日21時半すぎに複数のテレビ局が「当確」を流し、歓声が沸き起こる中で玉城デニー氏と支援者が万歳をした会場では、創価学会の三色旗がたなびいていた。学会員歴30年以上の野原善正さんが「自公推薦の佐喜真淳候補不支持・辺野古新基地反対の玉城氏支持」をアピールするために三色旗持参で駆けつけていたのだ。
告示日の那覇市内での街宣でも三色旗を掲げていた野原さんは、学会トップの指示に造反した理由について、こう話してくれた。
「沖縄県本部は『辺野古新基地反対』と言いながら新基地容認の佐喜眞淳候補を推薦するのは考えられないですよ。『二枚舌』というか『中央と地方が捩れている』というか全然整合性がないのです」
告示日の街宣でも複数の記者が三色旗に気がついてメディアで紹介され始めた。野原さんと同じく、30日夜にデニー陣営に駆けつけたベテラン創価学会員Aさんは、「私は公明党沖縄県本部代表とツーカーの仲だが、今回の選挙は許せない。創価学会としてきちんと総括すべきだ」と怒りを露にした。
「僕たちは公明党を信じて『辺野古新基地建設を止めるのだ』という思いなのです。佐喜真さんが辺野古について語らないことへの怒りを感じました。2月の名護市長選でも自公推薦の渡具知(武豊)さん(市長)が『市民の生活が大事です。基地問題は別です』と訴えたのですが、『基地問題を外して沖縄問題を語る』ということ自体が間違っています。僕はマスコミに出ることはしませんでしたが、『納得がいかない』と思って今回はデニーさんに投票した“隠れ支持派”の学会員は2割か3割ぐらいはいると思います」。