新聞各紙が総裁選の結果を一面で報じた
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総裁選後、小泉進次郎氏がぶら下がり取材に応じると、現場は記者ですし詰め状態に(撮影/田中将介)
総裁選後、小泉進次郎氏がぶら下がり取材に応じると、現場は記者ですし詰め状態に(撮影/田中将介)

 石破茂・元幹事長との一騎打ちに勝利し、自民党総裁3選を果たした安倍晋三首相。予想通りの結果とはいえ、石破氏が党員票で45%の得票率を得たことで「安倍圧勝」の雰囲気は党内にはない。そこで、新聞各紙の論調を読み比べてみよう。

【写真】総裁選後、小泉進次郎氏がぶら下がり取材に応じると、現場は記者ですし詰め状態に

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 21日付の新聞各紙は、勝利した安倍陣営に厳しい指摘が相次いだ。読売新聞は「敵は惰性、おごり、飽き」と題した伊藤俊行政治部長の解説を一面に掲載。「結局、『最後の3年』の成否は、安倍氏の言葉通り『謙虚で丁寧』な政治を推進力にできるかどうかにかかっている」と指摘している。読売と同じく、首相の単独インタビューをたびたび掲載する産経新聞も、社説で「謙虚な政権運営を心がけよ」と注文をつけた。

 さて、当の安倍首相はどう考えているのか。総裁選後の記者会見で人事について問われると「できるだけ幅広い人材に活躍のチャンスを作りたい」と応じ、党内融和に努力する姿勢をみせた。

 ところが、安倍陣営の議員にとってはそう簡単に“ノーサイド”とはいかないようだ。その原因の一つとなっているが、なんと「カツカレーの食い逃げ」だそう。

 朝日によると、投開票直前に安倍陣営が開いた「必勝出陣の会」で、議員に振る舞ったカツカレーは333食あった。それが、いざ投票箱を開けてみると国会議員票は329票。少なくとも4人が“裏切り”をしたことになる。陣営幹部は「一体誰なんだ」と話していたという。

 毎日新聞が掲載したコメントは、もっと激しい。安倍氏支持の派閥から石破氏に投票した人物について「精査する。グレーだった人を調べればいい」と語っていたという。安倍首相の党総裁3期目の初仕事は、カツカレー食い逃げの“犯人捜し”になりそうだ。

 場外乱闘はさておき、各紙のスタンスの違いが明確だったのが、憲法改正問題について書かれた社説。

 産経は「自民党は憲法改正の国民運動も始めるべきだ。党総裁として首相は先頭に立ってほしい」と訴え、読売は「自民党は、衆参両院の憲法審査会で条文案の議論を深め、理解を得る努力を続けるべきだ」としている。

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