希林さんも家にマスコミを呼んで会見したりしていましたけど、基本的には見せなかった。「全身がん」と公言していましたが、病状を明かすわけでもなく、カメラを入れるわけでもなく、最後まで仕事をされていました。役者・樹木希林と私生活、表と裏は別っていう考え方を感じました。
安室ちゃんは熱狂的なファンが「奈美恵ーーー!!」って騒ぐような派手なスターで、希林さんは決して騒がれはしないけど、みんなの心の中に深く入っていった人だったと思うんですよね。派手さがあるか無いかという点では違うけど、2人とも表に立つ側として夢を与え続けたっていう共通点があると思うんですよね。
希林さんがドラマ「寺内貫太郎一家」でおばあちゃん役をやったのが31歳だったそうですが、いま31歳であれをできる人が果たしているんだろうか……。希林さんは死生観はあまり語っていらっしゃらなかったようだけど、死をどう捉えていたのかとか、恐怖が無かったのかとか、聞いてみたかったですよね。
僕の親父は52歳のときに脳出血でいきなり死んだので、僕も突然コロッと死ぬんだろうなと思いますね。若くして親を亡くした人はよく考えるようですが、自分の中では何となく52歳を目標にしてきたところがあります。うちの兄貴も52を越えたときは「越えたぞ」って連絡が来ましたから。別に終活みたいなことをするわけではなくて、なんとなく親父の年を越えたいなというのもあるし、もう目の前だなという気持ちもある。あんまり長生きしないんだろうなとか、思ったりもします。
2人の素敵な生き様を見て、ちょっと考えさせられましたね。