この動きは首都圏にも広がる。東京の麹町学園女子中学校高等学校は東洋大と連携し、17年に「東洋大学グローバルコース」を設置。20年3月には1期生が卒業し、29人が東洋大に進学した。オーストラリア修学旅行なども通じて、推薦基準の一つである英検2級以上の英語能力などを養うという(HPから)。

「付属校の運営にはコストがかかりますから、今後はこうした新しい連携による高大接続が増えていくのかもしれません」

 では現状、付属高校や系列高校からどのぐらいの人数が大学に内部進学しているのだろうか。『大学ランキング2022』(朝日新聞出版)では、大学別に20年度の付属、系列高校からの入学者数と、入学者(編入学者を除く)に占めるその比率について調査している。

 内部進学による入学者数1位は日本大だ。付属中学・高校は26校にも及ぶ。北は札幌、南は宮崎まで全国に分布している。2位の東海大は、付属中学・高校は20校。こちらも札幌から熊本まで、広範囲にネットワークを形成している。

 入学者に占める内部進学者の割合をみると、1位東海大と3位日本大の間に、創価大が入る。同大の付属校は創価高校と関西創価高校の2校のみだが、創価大入学者の28%はこの2校から進学している。

 比率4位は慶應義塾大の24.7%で、入学者のほぼ4人に1人の割合だ。慶應の付属校といえば、幼稚舎から続く小中高一貫教育でも知られる。2013年には新たに横浜初等部が開校され、湘南藤沢中等部・高等部との一貫教育が図られている。

NEXT幼稚舎・中等部から「ずっと慶應」はわずか
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