その中で神奈川学園(横浜市)が695人から1007人と大幅に増加。北さんはその理由を「校舎がきれいで、ボリュームゾーンの生徒たちにも人気があり、受験者に好感を呼んだのでは」と、分析している。

 男子難関校は堅調。24年度に、東大に100人と初めて3桁の合格者を出し、同年の東大合格者高校別ランキングで2位だった聖光学院(横浜市)は1588人から1674人に増加した。

千葉は難易度が上がり過ぎた渋幕が敬遠され減少

 千葉の25年度受験者総数は2万6312人で、前年の2万6238人とほぼ同数。最難関校、渋谷教育学園幕張(千葉市)は難易度が上がりすぎて敬遠され、2766人から2584人と減少。逆にここ数年人気が上昇して難関化している昭和学院秀英(千葉市)が、2291人から2555人と増やした。

東京のグローバル系の学校は堅調な人気

 東京都の25年度受験者総数は13万2289人と、前年の13万439人からわずかながら増えている。今年は募集定員を増やした学校が複数あり、淑徳巣鴨(豊島区)が105人から140人、順天(北区)が90人から120人、玉川聖学院(世田谷区)が100人から130人に増員した。特に180人から240人と大幅に定員を増やした安田学園(墨田区)は、2618人から3036人と志願者も増やした。

 グローバル教育を標ぼうする、新しいタイプの学校も相変わらず人気を誇っている。例年大勢の志願者がいる広尾学園(港区)は3320人から3416人に増加。25年春、三田国際学園から三田国際科学学園(世田谷区)に改称する同校も2717人から3011人に増えた。日本とカナダ両方のの高校卒業資格(ダブルディプロマ)を取得できることで人気が上昇している文化学園大学杉並(杉並区)は1363人から1774人と増加。昨年減少した芝国際(港区)も696人から1756人と2倍以上になった。

 安田教育研究所代表の安田理さんはその理由を、こう話す。

「今人気のグローバル系は、女子校を改革して作り直した学校が多い。従来型の教育から脱皮して、新たな教育をやっていこうという学校側の熱意が伝わっているのでは」

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