首都圏の公立中高一貫校は、ここ数年連続して志願者が減少しています。特にトップ校の下げ幅が大きくなっています。ただし地域や学校によって、減少幅にばらつきが出ました。2025年度の首都圏の公立中高一貫校入試についてお伝えします。
【一覧でみる】首都圏公立中高一貫校の応募倍率は?(全5ページ)小石川、県立千葉などトップ校が減少
首都圏1都3県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)の公立中高一貫校の志願者は、年々減少している。2025年度は1万3063人と、24年度の1万4344人から1割近く減少した。今年だけでなく、減少傾向はここ数年続いている。その理由を、栄光ゼミナール入試情報センターの藤田利通さんはこう話す。
「開校してから日がたち、公立中高一貫校の適性検査は難しく、十分な対策が必要であることが知れ渡ったので“駆け込み受験”がなくなった影響が大きいです。ただしそれでも倍率は、3倍から高い学校だと8倍と高倍率をキープしています」
25年度の特徴は、難関校の減少が大きかったことだ。東京の小石川(文京区)、千葉トップの県立千葉(千葉市)、千葉の県立東葛飾(柏市)が大きく減らした。
「私立入試でも、東京の男女御三家がいずれも減少するなど、難関校を敬遠して安全志向になっています。その傾向が、公立にも表れました」(藤田さん)
〈東京〉立川国際も大きく減少
東京都は今年から、全校が男女枠を撤廃した。11校の総志願者数は、6935人から6178人に減少。
「東京都の小学6年生の児童数は前年比100.7%と微増でしたが、東京都全体総志願者数は前年比89.1%と1割以上減少しているので、下げ幅はやはり大きかったですね」
特に減少数が大きかったのが、684人から551人に減少した小石川と、529人から431人に減少した都立立川国際(立川市)だ。小石川は、毎年東京大に2桁台合格者が出る難関校。私立の御三家と併願する生徒も多いという。
「合格後の繰り上げは、他校が1桁なのに対して例年2桁と、小石川が断トツに多いです。今年も25人が繰り上がっています。つまり、私立中を第1志望としている生徒も多く受検しているということです」
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