関西2府4県では、小学6年生の人口は減少しているものの、受験率が過去最高を記録しました。大阪で大きく増えたことが要因で、難関から中堅まで各層で増加しており、高校無償化の影響がうかがえます。

MENU 大阪は難関から中堅まで各レベル帯で増加 灘は3年連続で700人超え 付属校の人気高まる 独自の改革で人気が高まっている注目校

大阪は難関から中堅まで各レベル帯で増加

 関西2府4県(兵庫、大阪、京都、奈良、滋賀、和歌山)の2025年度入試は、同地域の小6の人口が昨年度よりも3000人以上減少したものの、統一入試開始日の午前の受験者数は1万7583人で271人の増加。実数として3年連続の増加は2000年以降初めてという。受験率は昨年に続き10%を超える10.52%で、過去最高を記録した。日能研関西(神戸市)営業本部長の森永直樹さんは、こう話す。

「過去最高に迫るとは思っていましたが、来年と踏んでいました。それが1年前倒しで実現したので、驚いています」

 注目すべきは大阪だ。とくに増加が目立ち、昨年度から受験者数が414人増加。前年度からの増加数・増加率とも過去最高だった。その理由は「高校の無償化」につきるという。大阪府では26年度から府内在住のすべての世帯を対象に、私立・国公立ともに高校の授業料を無償化する。

「もともと大阪に高所得層が流入し、中学受験熱が高まっていたのですが、高校の無償化が拍車をかけました。今年は難関から中堅まで、各レベル帯で増加が見られました」

 京都や兵庫は小6人口の減少に伴って受験者数を減らしたものの、大阪の増加が全体を押し上げた。そのほかの地域はほぼ横ばいだったという。

灘は3年連続で700人超え

 難関校は高止まりで、総じてほぼ横ばいで推移した。最難関の灘(兵庫県神戸市)の志願者は昨年の747人から743人と横ばいだったが、3年連続で700人を超えた。最難関のなかで一番増えたのが大阪星光学院(大阪市)。707人から753人に増加した。甲陽学院(兵庫県西宮市)や東大寺学園(奈良市)は減少した。四天王寺(大阪市)の医志コースはほぼ横ばいで推移した。西大和学園(奈良県河合町)は難関化し、敬遠されて男女ともに減少した。

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柿崎明子
ライター 柿崎明子
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