子どもはひどい言葉で親を試している

小川 でも「うざい」なんて言われたら親はショックですよね。「生まれてこなきゃよかった」「あんたなんか親として選んでない」なんて言葉も思春期には定番です。なぜそんなことを言うのか? それは、自分がひどいことを言っても親はそばにいてくれるか、絶対的な愛情があるかを確認しているんです。親御さんがうろたえる気持ちもわかりますが、冷静にこう考えてみてください。「この子は、この言葉を私以外に言うのか?」と。先生にも友達にも言いませんよね。それが何を意味しているか考えたら、愛情確認を受け止めてあげられるのではないでしょうか。

相談者 たしかに、父親にも言わないです。私にだけ言うんですね。

小川 変な例えですが、相談者さんも「今日は部屋が散らかったままだけど寝てしまおう」とか、ちゃんとできていない自分を許してほしい時、ありませんか。家族にだらしない部分を見せて許してもらえるとうれしい、みたいな。

相談者 ありますあります! そう考えると子どもの気持ちもわかります。

「ママの前では頑張らなくていいんだよ」と伝える

相談者 次にこういうことが起きたら、どう声をかけたらいいでしょう?

小川 まずは、「自分でもわかってるけどどうしようもないの」と言葉にしているあなたってすごいよ」と娘さんの状態を認めて、思春期のメカニズムを説明して「誰にでもあるもので、時期が過ぎれば落ち着くから怖がらなくていいよ」と伝える。そして、「ママの前ではそんなに頑張らなくていいよ。ママはちゃんとわかっているから」と伝えてはいかがでしょう。自分を制御しようと頑張るのはちょっと手を抜いてもいいよと教えてあげたほうがいいと思います。

相談者 もう4年生だから、メカニズムも説明したほうがいい?

小川 それはお子さんによりますが、娘さんの場合は知って納得したほうが自分自身を許せるのではないかと思います。怖いのは「こんなことを言ってしまった自分はダメな子だ」と記憶に刻み込んでしまうこと。1人で思い悩まないように、「なんでそんなこと言ったんだっけ?」と忘れさせてあげることが大事です。

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