■子どもは2週間以上先のことをリアルに感じられない
安浪:この学校に絶対行きたいというものがあって、やらなきゃいけないと本人もわかっているんだけどできない、という状況であれば、親がつきっきりでやったり、家庭教師など第三者についてもらったりするなどして、ある程度強制的にやらせる環境を作るしかないと思うんです。自分一人ではできないからパパママ一緒にやって、と子どもが言ってくることだって普通にありますし、それは一概に悪いことではないです。もちろん、本人が望んでいないのに、無理やり大人がお膳立てしてしまうのは問題です。親が勝手に私の指導を詰め込んだご家庭に行ったこともありますが、子どもは「え?今日先生の授業なの?」という感じで、完全にやらされ勉強モード全開で、授業をしていてもなんだかなぁ、という感じでした。
矢萩:やっぱり主体性が一番大事ですよ。主体的でさえあれば、詰め込みだって学びにはなります。あとは親の焦りと子どもの焦りはずれがある、ということを認識してほしいですね。私が焦っているのにあなたが焦ってないのはおかしい、と思わないでください。だいたい子どもは2週間以上先のことはリアルに感じられないものです。直前期って言ったってまだあるよね、と思っていますから。
安浪:冬休みが始まれば、冬期講習があるので、そこでちょっと生活スタイルが変わるから、そこを一つ契機に何かしらの変化は出てくると思いますけどね。皆さん、何でもかんでも「これを言えば子どもが変わるはず」のような言葉を求めようとされますが、声かけ一つで変われば苦労しませんよね。それほど簡単なものではないとわかっていただきたいです。
(構成/教育エディター・江口祐子)
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